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第91話 「宮島弥山・大聖院登山道復旧(4) 」

「遊女の石畳」を抜けた15丁辺りから仁王門の18丁まではハイノキの密集林で覆われています(写真1)。この辺りは、登山道の両脇からこのハイノキの深遠で清楚なそして一種の霊気が漂ってきます。この道が長い年月にわたり、また今も山岳信仰の参詣道であることを偲ばせてくれます(写真2)。

写真1 登山道を覆うハイノキの密集林
写真1 登山道を覆うハイノキの密集林
写真2 登山道16丁辺り
写真2 登山道16丁辺り

宮島の自然林・植物群落のひとつにモミーミミズバイ群落と呼ばれるものがあり、宮島にはミミズバイに限らず多くのハイノキ科の植物があるのが特徴です。
  今、あちこちの市町村興しで、○○検定がはやっています。宮島にも宮島検定がありますが(写真3)、宮島特有の植物としてハイノキ科の植物やミミズバイについて若干の知識は問われるでしょう。その話題をいくつか紹介します。

写真3 宮島検定テキスト
写真3 宮島検定テキスト
写真4 満開のクロバイの花
写真4 満開のクロバイの花
写真5 ミミズバイ
写真5 ミミズバイ
写真6 ハイノキ
写真6 ハイノキ

宮島には、さくらの花の後しばらくすると必ずあちこちに綿帽子の雪が見えます。島内よりも大野瀬戸をはさんだ本土側からはっきりと見ることができます。
  これは5月の連休のころ一斉に開花するハイノキ科のハイノキ、クロバイなどの白い花です(写真4)。灯台もと暗しのたとえ通りで、この雪(花)は島中や樹下からは見難いようです。

ミミズバイ(写真5)はキョウチクトウに似た、宮島ではどこでも見られるありふれた樹木ですが、宮島を一番に代表する植物です。熱帯島嶼系の植物で、宮島が北限といわれています。宮島以外ではほとんど見られない貴重な樹木です。なまえの謂れは、よく見るとその熟した果実がミミズの頭に似ていることからとのことです。

カンザブロウノキも、ミミズバイと同じ南方系の植物で、宮島が北限といわれています。これも宮島以外ではほとんど見られない貴重なものです。宮島の山奥の谷間でよく見られますが、その葉っぱはごくごく普通のかたちをしていて特徴がないのが特徴です。しかしなまえのユニークさから一度見ると忘れません。なまえの謂れは、烏の勘三郎やそのありふれた葉のかたちと関係がありそうですが良く分かりません。

ハイノキ(写真6)から採られた灰汁はアルミニウムをたくさん含んでいて、良質な媒染剤や薬用剤、肥料として用いられていました。いまは工業化学品に取って代わられましたが、商品価値のある樹木だったようです。なまえの謂れは、そのまま「灰」からでしょう。
  なお最近は、ハイノキは常緑低木で樹形が良いこと、春先に白い清楚な花をつけることから、洋風住宅の植栽木として人気のようです。結構なお値段のようです。

世界でハイノキ科の植物は約250種あるといわれています。宮島で見られるハイノキ科の樹木はこのほかに、クロキ、シロバイ、サワフタギなどがあります。

写真7 明治の町石17丁
写真7 明治の町石17丁
写真8 十字路峠で一休み
写真8 十字路峠で一休み
写真9 礎石のみの仁王門跡
写真9 礎石のみの仁王門跡

ハイノキの密集林に包まれた登山道の脇に、明治の町石17丁(写真7)、続いて江戸期の町石15丁が見られます(丁数字のつじつまについては機会があればあらためて紹介します)。そしてすぐに、明治の町石18丁の十字路峠です(写真8)。
  ここでまた一休みですが、そのまま真直ぐに峠を下れば奥の院、右へ行けば毛利合戦の駒が林、左へ行けばすぐに仁王門跡(写真9)を経てやがて弥山山頂です。

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